不倫の慰謝料を分割で支払うデメリット
1 不倫慰謝料を分割で支払うデメリットは主に3つ
不倫慰謝料の相場は数十万~300万円といわれており、個人の方が支払う金額としては低いものとは言えません。
収入や支出、保有している資産の状況によっては、すぐに一括して支払うことができないという方もいらっしゃるかと思います。
そのような場合には、不倫慰謝料を分割して支払うことを検討します。
分割払いにすることで目下の経済的負担は軽減できますが、次のようなデメリットがあることにも留意する必要があります。
① 被害者(不倫をされた側)が分割払いに応じるとは限らない
② 示談の条件が厳しくなる可能性がある
③ 不倫慰謝料に関する争いから長期間解放されない
以下、それぞれについて詳しく説明します。
2 被害者(不倫をされた側)が分割払いに応じるとは限らない
不倫慰謝料の支払いを受ける側としては、基本的に分割払いとするメリットはありません。
慰謝料全額の支払いを受けるまでには長時間を要しますし、途中で支払いが止まってしまう可能性もあるためです。
そのため、必ずしも分割払いで示談ができるとは限らないという点を心に留めておく必要があります。
場合によっては交渉が決裂し、被害者側が訴訟を提起して不倫慰謝料の支払いを請求することもあります。
3 示談の条件が厳しくなる可能性がある
2で説明したとおり、分割払いとする場合、被害者側はリスクを負うことになります。
そのため、一括で支払う場合と比べて、示談の条件が厳しくなることがあります。
具体的には、慰謝料が高くなること、および強制執行認諾文言付公正証書で示談書を作成することが考えられます。
強制執行認諾文言付公正証書で示談書を作成すると、支払いが滞った場合、被害者側は訴訟を提起することなく強制執行ができます。
4 不倫慰謝料に関する争いから長期間解放されない
例えば、不倫慰謝料が200万円で、毎月5万円ずつ支払うこととなった場合、40か月間慰謝料を支払い続けることになります。
その間、振り込み等を失念していないかを気に留め続ける必要があります。
また、急な出費や収入減などがあり一定期間支払いが滞ると、訴訟を提起されることや、債務整理を検討しなければならないこともあります。
このような不安からも長期間解放されないことになります。